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そして、ブログも生きてたわ…驚き。
どうもこの日が来ると落ち着かない。
自分の社番が326だから余計に…
運命としか考えられないな。
ブレイブにハマった時は違う会社にいてブレイブで活動しながら転職したら326。
未だにブラックなのに在職。
…ストレスチェックで重度判定くらったが326が惜しいんだよ。
と、言うわけで美鶴の日にミツワタ。
嗚呼、やはりミツワタはいい。
久々に書いたが楽しかったな。
同じ作品をpixivでも上げよう。
先にこちらで…アップするのは古巣だから。
pixivは四鳴とフェルムコだけやしな…
忘れられた最果てなブログだが、1人佇み呟くのも楽しっ♪
千年の眠り
『ヒトの子よ…長い間ご苦労様でした。さぁ、貴方の世界に帰る時が来ましたよ』
優しく囁く声に顔を上げる。
ああ…ハルネラとしての役目が終わったのか。
なんの喜びも湧いてこない。
冥王となり光の結界を張り幻界の命を見守った千年。
なにをするわけでもなく、ただ目を開けたまま千年眠っていたようなもの。
身体は朽ぬまま、それでも、狂う事なくいられたのは…
この世界が亘が救った世界だから。
『ヒトの子、嬉しくないのですか?』
「…どうして嬉しいと思えるのでしょうか。千年は決して短くはない、解放されても俺の世界はもうない。それは俺が犯した罪だからしょうがないですが…ね」
できるのなら…願えるのなら…
まだこのままハルネラでいさせて欲しい。
亘が愛した仲間がいた幻界を守っていきたい。
『それはできません…貴方は役目を全うしたのです。帰るべき所へ帰らなければいけません』
女神は俺の考えを読み取ったのか、静かに諭す。
わかっていた事だ。
千年毎にハルネラは変わらなければいけない。
もう、俺に光の結界を張る力がなくなっているのだ。
「ならば…幻界での生を…」
亘が愛したこの世界で生きていけたら…いい。
『いけません、貴方には帰る場所があるのですから』
女神はなにを言っているのだろう。
俺に帰る場所なんてない。
現世に戻っても亘もいないのだ。
人は千年も生きられない。
亘の魂は何度も生まれ変わり俺の記憶は溶けて消えている。
俺だけ記憶し、生きるのは苦し過ぎる。
探し求め現世を漂うのは地獄と変わりない。
それならば、俺の魂を消滅してくれないだろうか。
俺は無意識に女神に願うように見上げていた。
『ヒトの子よ、私は先程も言いましたよ…貴方には帰る場所があると』
「帰る場所なんて…」
『私の言葉では信じられないのであれば…さぁ、この階段を下りなさい。その先にある扉に答えはありますよ』
暗闇に光の空間が現れ、階段が下に長く繋がっている。
俺は留まる事を許されず、階段を下りていくしかなかった。
長い長い階段に気が遠くなり、足を止めてしまおうと思うのに身体は言う事を聞かない。
どくどくと心臓が波打ち身体の隅々に血が巡る。
息が苦しく、辛いのに…気持ちは高揚し、無感情だった表情に笑みが浮かぶ。
なんだ…これは…
扉はまだ見えないのに俺の望むものがあると感じる。
スピードを上げ駆け下りたかったが、この階段は俺が過ごした千年の時をかけた階段なのだろう。
一段一段踏み下りなければ辿り着けないようだ。
もどかしいが一歩一歩扉に向かう。
漸く扉が見えてきた。
あの扉は…現世から幻界に来た時の扉。
要御扉だ。
ぴったりと閉じているはずの要御扉がうっすらと開いている。
新しい旅人か…?
近付きながら眼を凝らす。
旅人ではない、ましてや迷い人でもない。
要御扉にいたのは…
何故?何故?
絶叫しそうになる。
そこにいたのは…三谷亘だからだ。
千年前と変わらぬ容姿で嬉々として手を振る亘がいた。
「美鶴っ!」
嬉しそうに俺の名を呼ぶ。
「亘…なんで…」
言いたい事は沢山あるのに言葉が出てこない。
「美鶴…約束しただろ?ヴェスナエスタホリシアって」
「あれは死んでいく者への祈りだろ」
「祈りは願い…女神様は願いを叶えてくれたんだよ」
「でも、お前の願いは…」
幻界を救うために願ったはず。
「うん、幻界に未来を願ったよ。その未来に美鶴、君も含まれるんだ。光の結界は幻界のもの。その光の結界は美鶴とロンメル隊長。千年経っても未来はあるよ。だから、美鶴と僕は再びあいまみえたんだよ」
亘はぎゅっと俺に抱きついてきた。
「美鶴、今度こそ一緒に帰ろう…」
「だけど何故、亘があの時の姿でここに?」
「それについては儂が答えよう」
「「ラウ導師様っ!?」」
気配が全くなくいきなり現れたラウ導師様に2人で驚く。
「亘は何度生まれ変わり生を全うしても必ずここに帰ってくるんじゃ…約束をしているからと。普通なら忘れて上書きされる魂が戻ってくる度、初期化されこの姿で転生するまでここでお前さんを待っておったわ」
ラウ導師様は呆れた顔で亘をみる。
亘はラウ導師様に余計な事を言われ睨み付けていた。
「亘…」
「会いたかったんだもんっ!美鶴と一緒にサッカーしたり宿題したり…一緒に時を過ごしたかったっ!君は僕の憧れで僕の大切な人だから…会いたくて会いたくて焦がれて待ってたんだ。何度でも生まれ変わっても気持ちは消えなかったよ」
「亘…お前、強すぎ」
自分は魂を消滅してくれないかと思っていたのに。
それなのに亘は…待っててくれた。
あの時の約束を守るため。
俺と一緒にいるため…千年の時をかけて忘れずにいてくれた。
愛しいと思わずにはいられない。
「ありがとう、亘」
亘を抱き寄せ、心から感謝の気持ちを伝える。
「俺も千年の時をずっと亘を想っていたよ…忘れないでいてくれて本当にありがとう」
「うん」
互いに見つめ合い笑う。
「さぁ、お前さん達。帰る時が来たようじゃ」
「「はい」」
「美鶴、お前さんの旅は終了じゃ…長い間、幻界を見守ってくれた事を感謝する。達者での」
優しい笑顔で見送ってくれる。
俺は頭を下げる。
「ラウ導師様もお元気で…ありがとうございました」
「行こう!美鶴っ」
亘は俺に手を差し伸べ全開の笑顔を見せた。
俺は大きく頷くとその手をとりぎゅっと握る。
手を繋ぎ、要御扉をくぐる。
俺と亘の新しい命を生きるため。
同じ時を過ごすため。
幻界から現世に一緒に帰る。
笑顔で2人で…
帰った先にどんな事が起きても亘とならば乗り越えていける。
帰る場所は亘のいる世界だから…
END
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見ての通り、痛い人です(笑)。
時たまポエマー、基本腐った女。
黒猫と紅茶(セイロン)を愛してます。
ちなみにプロフィール画像の猫は相棒『トト』。