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入った瞬間、不思議だからタイトルは不思議空間。
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えーあー…生きてます。
そして、ブログも生きてたわ…驚き。
どうもこの日が来ると落ち着かない。
3月26日…美鶴の日。
自分の社番が326だから余計に…
運命としか考えられないな。
ブレイブにハマった時は違う会社にいてブレイブで活動しながら転職したら326。
未だにブラックなのに在職。
…ストレスチェックで重度判定くらったが326が惜しいんだよ。
と、言うわけで美鶴の日にミツワタ。
嗚呼、やはりミツワタはいい。
久々に書いたが楽しかったな。
同じ作品をpixivでも上げよう。
先にこちらで…アップするのは古巣だから。
pixivは四鳴とフェルムコだけやしな…
忘れられた最果てなブログだが、1人佇み呟くのも楽しっ♪


千年の眠り



『ヒトの子よ長い間ご苦労様でした。さぁ、貴方の世界に帰る時が来ましたよ』


優しく囁く声に顔を上げる。


ああハルネラとしての役目が終わったのか。


なんの喜びも湧いてこない。


冥王となり光の結界を張り幻界の命を見守った千年。


なにをするわけでもなく、ただ目を開けたまま千年眠っていたようなもの。


身体は朽ぬまま、それでも、狂う事なくいられたのは


この世界が亘が救った世界だから。


『ヒトの子、嬉しくないのですか?』


どうして嬉しいと思えるのでしょうか。千年は決して短くはない、解放されても俺の世界はもうない。それは俺が犯した罪だからしょうがないですがね」


できるのなら願えるのなら


まだこのままハルネラでいさせて欲しい。


亘が愛した仲間がいた幻界を守っていきたい。


『それはできません貴方は役目を全うしたのです。帰るべき所へ帰らなければいけません』


女神は俺の考えを読み取ったのか、静かに諭す。


わかっていた事だ。


千年毎にハルネラは変わらなければいけない。


もう、俺に光の結界を張る力がなくなっているのだ。


「ならば幻界での生を


亘が愛したこの世界で生きていけたらいい。


『いけません、貴方には帰る場所があるのですから』


女神はなにを言っているのだろう。


俺に帰る場所なんてない。


現世に戻っても亘もいないのだ。


人は千年も生きられない。


亘の魂は何度も生まれ変わり俺の記憶は溶けて消えている。


俺だけ記憶し、生きるのは苦し過ぎる。


探し求め現世を漂うのは地獄と変わりない。


それならば、俺の魂を消滅してくれないだろうか。


俺は無意識に女神に願うように見上げていた。


『ヒトの子よ、私は先程も言いましたよ貴方には帰る場所があると』


「帰る場所なんて


『私の言葉では信じられないのであればさぁ、この階段を下りなさい。その先にある扉に答えはありますよ』


暗闇に光の空間が現れ、階段が下に長く繋がっている。


俺は留まる事を許されず、階段を下りていくしかなかった。


長い長い階段に気が遠くなり、足を止めてしまおうと思うのに身体は言う事を聞かない。


どくどくと心臓が波打ち身体の隅々に血が巡る。


息が苦しく、辛いのに気持ちは高揚し、無感情だった表情に笑みが浮かぶ。


なんだこれは


扉はまだ見えないのに俺の望むものがあると感じる。


スピードを上げ駆け下りたかったが、この階段は俺が過ごした千年の時をかけた階段なのだろう。


一段一段踏み下りなければ辿り着けないようだ。


もどかしいが一歩一歩扉に向かう。


漸く扉が見えてきた。


あの扉は現世から幻界に来た時の扉。


要御扉だ。


ぴったりと閉じているはずの要御扉がうっすらと開いている。


新しい旅人か


近付きながら眼を凝らす。


旅人ではない、ましてや迷い人でもない。


要御扉にいたのは


何故?何故?


絶叫しそうになる。


そこにいたのは三谷亘だからだ。


千年前と変わらぬ容姿で嬉々として手を振る亘がいた。


「美鶴っ!」


嬉しそうに俺の名を呼ぶ。


「亘なんで


言いたい事は沢山あるのに言葉が出てこない。


「美鶴約束しただろ?ヴェスナエスタホリシアって」


「あれは死んでいく者への祈りだろ」


「祈りは願い女神様は願いを叶えてくれたんだよ」


「でも、お前の願いは


幻界を救うために願ったはず。


「うん、幻界に未来を願ったよ。その未来に美鶴、君も含まれるんだ。光の結界は幻界のもの。その光の結界は美鶴とロンメル隊長。千年経っても未来はあるよ。だから、美鶴と僕は再びあいまみえたんだよ」


亘はぎゅっと俺に抱きついてきた。


「美鶴、今度こそ一緒に帰ろう


「だけど何故、亘があの時の姿でここに?」


「それについては儂が答えよう」


「「ラウ導師様っ!?」」


気配が全くなくいきなり現れたラウ導師様に2人で驚く。


「亘は何度生まれ変わり生を全うしても必ずここに帰ってくるんじゃ約束をしているからと。普通なら忘れて上書きされる魂が戻ってくる度、初期化されこの姿で転生するまでここでお前さんを待っておったわ」


ラウ導師様は呆れた顔で亘をみる。


亘はラウ導師様に余計な事を言われ睨み付けていた。


「亘


「会いたかったんだもんっ!美鶴と一緒にサッカーしたり宿題したり一緒に時を過ごしたかったっ!君は僕の憧れで僕の大切な人だから会いたくて会いたくて焦がれて待ってたんだ。何度でも生まれ変わっても気持ちは消えなかったよ」


「亘お前、強すぎ」


自分は魂を消滅してくれないかと思っていたのに。


それなのに亘は待っててくれた。


あの時の約束を守るため。


俺と一緒にいるため千年の時をかけて忘れずにいてくれた。


愛しいと思わずにはいられない。


「ありがとう、亘」


亘を抱き寄せ、心から感謝の気持ちを伝える。


「俺も千年の時をずっと亘を想っていたよ忘れないでいてくれて本当にありがとう」


「うん」


互いに見つめ合い笑う。


「さぁ、お前さん達。帰る時が来たようじゃ」


「「はい」」


「美鶴、お前さんの旅は終了じゃ長い間、幻界を見守ってくれた事を感謝する。達者での」


優しい笑顔で見送ってくれる。


俺は頭を下げる。


「ラウ導師様もお元気でありがとうございました」


「行こう!美鶴っ」


亘は俺に手を差し伸べ全開の笑顔を見せた。


俺は大きく頷くとその手をとりぎゅっと握る。


手を繋ぎ、要御扉をくぐる。


俺と亘の新しい命を生きるため。


同じ時を過ごすため。


幻界から現世に一緒に帰る。


笑顔で2人で


帰った先にどんな事が起きても亘とならば乗り越えていける。


帰る場所は亘のいる世界だから



END


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お久しぶりです。
HPも放置でブログも放置な胡都音です。
HP最後更新15年ですよ?3年前っ!?
…あまりの放置っぷりで自分のPNすら自動変換されなくなってる(汗)
ダメだ…スマホやタブレットばっか触ってパソ開かなくなってるもんな。
タブレットは短文しか打つ気がしない。
…でも、まぁ~同人サイトをHPでなんて今は主流じゃないからね。
ツイッターやインスタ時代ですよね~
インスタはやってませんがツイッターは見る専門でやってます。
とは言っても…見専でも同人要素は全くないのですが。
あ、でもっ!
脳内妄想は相変わらずしております。
今回だって326の日にどうしよぉ~って思ってたし。
…毎日、326は打ち込んでますが。
社番がね…私の社番が美鶴なのぉぉぉぉ(>w<)
これのせいで会社続けているのかもっ☆
ってことで、美鶴の日~~~~♪
ぱふぱふっ☆

ぴぴっ✩



「ん・・・」



スマホのアラームに目をこすりながら起き上がる。



画面に表示された時刻を見ると『3:20』を表示していた。



隣で眠る美鶴を起こさないようゆっくりとベットから降りる。



少しずつ照明を明るくし・・・ぱしゃっ✩



にんまりと写真に満足しつつ大急ぎで設定画面を操作する。



時刻を確認し、ぱしゃっ✩



そして保存。



「でっきたぁ~♪」



やりたかったことを実行できて思わず叫んでしまった。



やばっ!と後ろを振り返ると、起こされた不機嫌そうな顔で身体を起こす美鶴。



「ご、ごめん・・・起こしちゃったよね」



「ああ、今何時だ?」



「えっと・・・3時40分くらいだよ」



こっそりスマホを隠しながら壁に掛かっている時計を見る。



「なんか早朝バイトでも入れてんのか?」



「ううんっ!今日はバイトは入ってないよ」



「じゃぁ、なんでこんな時間に起きるんだ?」



「たまたま起きちゃったんだっさっ!寝よ寝よっ!」



ぐいっと美鶴をベットに押し倒すと急いで隣に滑り込む。



「~~~っ」



納得いかない顔をしつつも眠気には敵わなかったようで瞳を閉じていく。



再び、美鶴の寝顔を確認し、ホッと胸を撫で下ろす。



そっと隠したスマホを取り出し、設定画面を開きホーム画像を交換する。



そして、画像ホルダーを開く。



画面に映るのは美鶴の寝顔と・・・3:26 3月26日



「へへっ♪」



特別な日の特別な画像。



チュっと画面にキス。



そして、目の前にいる美鶴の頬にも。



「大好きだよ、美鶴」



画像ホルダーに特別な画像がたくさんたくさん溜まっていきますように。



「ずっと一緒にいようね」



「ん・・・」



眠っているはずなのに美鶴の腕が伸びてきて僕を引き寄せ抱きしめる。



美鶴の体温を感じながら幸福感が満たされる。



そして、僕も目的を達成した満足感に浸りながら目を閉じた。



おやすみ・・・起きたら、今年も3月26日を目一杯楽しもうね。


来年も・・・再来年も・・・ずっと・・・

~END~

では、また来年の美鶴の日にパソコンが存命していることを祈りつつ…
アデュー!!アミーゴ―!!

拍手

ハッピーバースデー美鶴っ!!
おめでとうっ!生まれてきてくれてっ
そして、出会えた喜びをっ
・・・ブレイブ出会ってから10年以上も経つのね。
亘も美鶴もかっちゃんも宮原も20歳超えたか・・・
時は無情なり。
そして、このサイトも10年か・・・
放置しまくり。
最後の更新が2015年。
小説も絵からも離れておりました。
買い専の同人活動はしてましたが。
さて、ここにいる&今日という日という条件がそろったので妄想を・・・
たらったったたぁ~んっ!!

用意するもの
美鶴 1名。
亘 1名。
勇者亘 1名。
魔導士美鶴 1名。
喧嘩スパイス少々。
後悔切なさ甘味少々。
よ~~~~~く混ぜましょう。

「はぁ・・・」
重いため息を一つ。
空を見上げても気持ちはひとつも上がってこない。
「なんで、こんなことになってるのかな」
発端は些細な喧嘩。
すぐに謝ればいつものように肩を並べて歩いていたのに。
笑って楽しく今日という日を迎えてたはず。
それなのに今は一人。
意固地になって謝れないこと2日間。
気まずくて謝れないのに3日間。
タイミングを逃して4日間。
許してもらえないのかと不安になって側に寄ることができなくなってる。
このままなんて嫌だってわかってるくせに・・・
僕の勇気はどこに行ってしまったんだ?
「僕は勇者だったのに」
再び、ため息。
結局、放課後まで声をかけれずにいて姿も見ていない。
とぼとぼと家に帰ってきてしまった。
去年の今頃は美鶴の誕生日を祝っていたのに。
今年は金曜日でもしかしたらお泊りしてたかもしれないのに・・・
そしたら、最後の最後まで祝っていたのは自分だったのに。
「本当、バカ・・・バカすぎだよ僕は」
家のベランダに出ると美鶴のマンションがある方角へ向かう。
手すりに顔を乗せる。
「・・・美鶴に会いたいよ」
ツンと鼻に痛みを感じる。
泣き出す前の予兆。
ひくりと喉が震える。
「美鶴ぅ・・・ごめんねぇ・・・」
ぽろっと涙が出て次々にコンクリートの上に落ちる。
僕の気持ちにつられたのか空までどんより雲が増えていく。
『おいっ!彦星と織姫まで会わせないつもりかよ?』
突然、自分の声が聞こえた。
驚いて顔を上げると・・・僕がいた。
いや、正しくは勇者だった僕がいた。
「なんで?夢・・・?」
『なんでもいいだろ、そんなことしている時間ないだろ』
背中の剣を抜くと宙にほおり投げる。
幻界で乗っていた乗り物が目の前に現れた。
『僕が美鶴のところへ連れってってあげる。だから、行こう』
「でも・・・」
『あ~~~~っ!!うざいっっ!!うじうじしている暇があるなら乗るっ!!』
ぐいっと引っ張られ無理やり乗せられる。
『行きがてらなけなしの勇気かき集めてその情けない顔なんとかしてよね』
「ちょっ!!うわぁ~~~~っ!?」
言い返そうと思ったが猛スピードで発進したので悲鳴しか出てこなかった。
なけなしの勇気かき集める余裕なんかないじゃないかぁぁぁぁぁぁ
暫く飛んだら今度はいきなりの急ブレーキ。
「ちょっと運転荒すぎっ」
抗議の声をあげようとしがみついてた背中から顔を上げると・・・
「美鶴・・・」
そこにいたのは魔導士の美鶴の後ろに気まずそうな顔をした美鶴がいた。
『ふっふ~んっおせっかいは嫌いだったんじゃないの?』
『今回だけ・・・特別だ』
すぅっと空から地上に降りる。
ちょうど初めて出会ったかつて幽霊ビルだった建物の屋上へ
『あ~あっここも新しく建て替えられちゃって・・・僕が知ってる街がどんどんなくなってくや』
『当たり前だろ・・・あれから何年たってると思ってるんだ?』
「え?二人共僕たちと一緒にいるんじゃないの?」
『いるわけないじゃん~僕らは君たちの過去だもん。あまりに馬鹿な喧嘩してるからおせっかいで干渉しにきただけ・・・美鶴はめんどくさいとかほっとけとか言ってたのにねぇ?なんでかなぁ~?』
『うるさい、黙れ』
『はいはい~』
くるっと方向転換をすると勇者の僕が美鶴の背中を押す。
『ほら、美鶴も黙ってないでなんか言ってよ』
「あ、いや・・・」
僕から視線を逸らすように横を向く。
もう、嫌われたのかな・・・
謝ってももう前の関係に戻れないの?
なけなしの勇気なんてそれだけで砕け散ってしまうよ。
その時、魔導士の美鶴が杖で僕の左手首を叩く。
『ハイランダーの一員がそんなんでいいのか?』
そこにはもうないけれどかつて僕が着けていた腕輪の感覚。
ぎゅっと手首を掴むと深呼吸をする。
大丈夫・・・大丈夫・・・
ゆっくりと顔を上げると歩き出し美鶴の前に。
「美鶴、ごめんなさい。・・・それと、誕生日おめでとう」
ずっとずっと謝りたかったんだよ。
許してくれないかもしれない・・・
でも、それでもいいから美鶴の誕生日を祝いたい。
特別で大好きな人の生まれた日だから。
「・・・ああ」
『なにクールぶってんだかっ!泣きそうな顔で亘に会いたいってつぶやいたのは誰だ?』
「なっ!貴様っ!!」
かぁっと頬を染めて魔導士の美鶴の胸ぐらをつかむ。
が、そんなことで動揺せずさらに追い討ちをかける。
『意地張って亘避けて自分で自分を傷つけるなんて笑っちゃうね!後悔しまくりでふて寝して誰にも祝われたくないって部屋に閉じこもったお子ちゃまが』
「黙れ」
今にも殴りかかりそうな美鶴に慌てて腕に抱きつく。
「亘・・・」
「二人共僕たちのために動いてくれたんだよ・・・ねっ?そうでしょ?」
『二人共っていうか美鶴は乗り気じゃなかったくせにねぇ~』
勇者の亘はにまにま笑いながら魔導士の美鶴を見る。
『うるさい、黙れ・・・帰るぞ』
ぱっと美鶴の手を払い除け勇者の亘のもとへ行く。
『じゃぁ、僕らは行くね、美鶴っ!誕生日おめでとうね!』
二人は手をつなぎながら消えていく。
残されたのは僕と美鶴。
「あ、あのね・・・本当、ごめんね・・・僕・・・」
「もう、謝るな、悪いのは俺もなんだから」
ゆるゆると抱きしめていた美鶴の腕を解こうとすると・・・
腕を引っ張られ今度は僕が抱きしめられる。
「ごめんな。ずっと亘に会えなくて寂しかった、こうしてそばにいて欲しい」
「美鶴・・・」
「誕生日プレゼントに約束を一つくれないか?」
「なに?」
「どんなことがあってもそばにいてくれること」
その言葉に笑顔があふれる。
それは僕が美鶴に言いたいことなのに。
本当に美鶴は・・・
「当たり前だろっ!もうっ!美鶴、大好き」
ぎゅっぎゅうっと抱きつく。
そばにいるだけでこんなに幸せになれるのは美鶴だけだよ。
大好きの気持ちを込めてつま先に力を入れると僕より背が高くなった美鶴にチュッとキスを贈る。
ここにいてくれてありがとう。
僕と出会ってくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
誕生日おめでとう、美鶴。

はい、妄想クッキング終了。
2年ぶりのSSです。
文章書いてなかったので文字の配列が・・・(汗)
とにかくっ!!!
美鶴の誕生日が祝えて嬉しいです。
来年もまた来年も・・・ずっとずっとこの日は特別な日です。
誕生日おめでとう!!美鶴!!!

拍手

ま、間に合った? 今日は美鶴の誕生日。
が、多忙のため流そうかと思ったところに起爆剤が!!
ああ、嬉しいのに嬉しいのにちょっと苦しい。
数時間で書き上げたのでネタがまとまってませんが・・・
ファイルも作る時間がないので先にブログにて。
後日・・・多分後日、ファイルにしてアップしなおします。
くっ!!Kさんにやられたぜっ☆
この後、妄想して堪能してやるぅ!!
とりあえず、今日はこれをアップしたらダウンします~
ダブルワーカーはつらひです(>_<)

では、美鶴ハッピーバースデー!!

鳴らない携帯。
ぎゅっと握りしめ不安を募らせる。
今日だけは来てくれると思ったのにな…
ため息を一つ、また一つ。
互いに別々の高校に進み、小学生、中学生の時のように同じ時間を共有できないのはわかってる。
目を背けているが、疎遠になって思い出しもしなくなっていってしまうのかと。
高校に入ってから亘はメール、ラインでは連絡はつくものの実際に会ったのはいつくらいだろう?
新しい環境に慣れるため大変なのはわかっているつもり。
だけど、不安になるのは自分が亘にとって必要なのかわからないから。
また、ため息。
「お兄ちゃん~またため息ついてるよ?」
「あ?」
気だるく答えるとアヤは呆れた顔をする。
「ため息ってね~つく度に幸せが逃げてくって言ってたよ」
「幸せ…ね」
確かに逃げてってるかもなぁ~
…ついてもつかなくてもだけどな。
「もうっそんな態度とるんだったらお誕生日祝ってあげないんだからねっ!」
「そんなこと言ってケーキ食べたいだけだろ」
「本当、かわいくなぁ~いっ」
べぇ~っと舌を出して部屋を出て行った。
と、思ったらドアから顔を出してにっこり笑う。
「8時にお姉ちゃん帰ってくるからそしたらお祝いしようねっ♪」
「はいはい。あ、ちょっとその前に出掛けてきていいか?」
「う~んっきっかり1時間で帰ってきてよ?」
「わかった~」
ひらひらと手を振りながら外に出る。
うっすらと闇が訪れる街に一人。
誕生日か…
出会ってから毎年、亘には色々と祝ってもらった。
今年は…駄目かもな。
祝ってもらいたいのはたった一人.
いや、祝ってもらえなくてもいい。
会いたいっ…会いたいんだ…
ぎゅっと携帯を握る。
「亘…っ!」
亘の名を呼ぶ。
俺にあの時の魔導師の力があればっ
この願いをかなえることができるのに…
「あれ…?美鶴?」
後ろから亘の声が聞こえた。
ばっと振り返るとにっこり笑う亘がいた。
「も~今から美鶴の家に行こうと思ってたのに!出掛けてるなんてすれ違うとこだったじゃんかっ」
「え…?」
「だって今日、美鶴の誕生日でしょ!祝わなくっちゃだめじゃん」
「でも…ここ最近」
「ああ、うん…そうだね。ごめんね、実は悟叔父さんのとこでバイトしてたんだ」
「え?」
「ほら、学校バイト禁止だろ?でも、親戚の手伝いならセーフかなって」
「言ってくれたら…」
悪い方へ悪い方へ考えたじゃないか。
亘は悪くないがつい恨み言を言ってしまいそうになる。
「ん~っまいっか…家でって思ったけど」
亘はそう言うとポケットから何かを出す。
「はいっ!誕生日プレゼントっ」
きゅっと手を握られると指先に冷たい感触。
「これ…」
「へへ~っやっぱ美鶴にはこれが似合うと思ったんだよなぁ」
亘は満足そうに笑うとぎゅっと抱きついてくる。
「誕生日おめでとう!」
「ありがとう」
俺もぎゅっと亘を抱き返す。
「一番は亘が傍にいてくれるのが誕生日プレゼントだよ」
「あ、じゃぁこれしてもいい?」
「ん?」
「じゃぁ~んっ!」
亘が得意そうに目の前に手を広げる。
そこには俺の指にはまるリングと同じもの。
「ペアリング~♪」
亘は俺の手を握るとリングを移動する。
そして、亘のリングも移動。
お互いの薬指に…
「亘…ったく、お前なぁ~」
「あれ?怒った?」
「怒ってないけど全部、亘にやられた感が半端ない…」
「あはは~まっ今日は祝ってもらう受け身の人だからしょうがないねぇ」
今日は亘にしてやられてばっかだな…
だが、やられっぱなしも俺の性に合わない。
「祝い返しはしないとな♪」
俺はにやりと笑うとさっと亘の唇を奪う。
「美鶴っ!?」
「指輪の交換の後は誓いのキスだもんな」
「もうもうっ!!今日はもう祝ってやんないぞっ!」
してやられたっと亘は悔しそうに可愛くないことを言う。
まぁ、祝ってくれなくてもこのまま家にお持ち帰りはしますけど。
「さて、きっかり1時間が来る前に家に帰りますか…アヤも待ってることだし」
亘の手をぎゅっと握り、家路に向かう。
「ありがとな…」
「うんっ今年も祝えてよかった…来年も一緒にいるよね?」
「当たり前だろ」
ぎゅっと不安で握っていた携帯の代わりに亘の手を優しく愛おしく握る。

拍手

わぁ~いっ!美鶴の日!!
素敵素敵!!
と、一日密かに騒いでおりました。
・・・作品書けなかったけど。
が、美鶴愛は終わり30分前ですがなんとか証明できたっ!!
ファイルまでには間に合いませんでしたが(汗)
取り急ぎ、ブログにて。
美鶴っ!!愛をこめて…あなたに。
ってことで…どうぞ~っ!!

「ただいま~」
玄関を開けながら帰宅を告げる。
すると、玄関に見慣れた靴。
「亘…?」
今日、会う約束してたっけ?
記憶を辿るが覚えがない。
まぁ、約束をしてなくても亘に会えるのは嬉しいけど。
ふっと亘を思うだけで嬉しくなる気持ちが溢れてくる。
リビングへ移動しながら自然に笑みが浮かぶ。
がちゃっ
ドアを開けるとソファーに座った亘…
「おわっ!?」
そう予想してたのにソファーには亘の姿はなく…
いきなり目の前に現れ、抱きつかれる。
…そして、もう1人。
「ちょっ!こらっ!!アヤっ!亘っ!!」
2人分の重さに後ろに倒れ込みそうになる。
怒った声を上げるが2人とも全然離れようとしない。
大好きな二人に抱きつかれて嫌な気持ちにはならないが、さすがにこの攻撃はきつい。
「今日は何かあったのか?」
よろけつつ、なんとか壁に背中を預け二人に語りかける。
「今日ねっ!今日ねっ!!」
アヤがキラキラした顔で俺を見上げる。
「特別な日なんだよっ!!」
同じように亘もきらきらな瞳で見つめてくる。
…その顔やめろ。
あまりの可愛さに理性が…(汗)
そんな俺の内心を無視し。更に可愛い行動をとる2人。
「「せ~のっ!」」
息を合わせるように掛け声を上げる。
「「3月26日は美鶴dayで~すっ」」
きらっきらな笑顔で声を会わせ叫ぶ。
「は?」
意味がわからず聞き返す。
俺の日?なんじゃそりゃ?
「も~ノリが悪いなぁ~語呂合わせで326でミツルでしょ?」
亘はちょっと拗ねたように頬を膨らます。
アヤも同様。
「ね?せっかくだから美鶴Dayってことで我儘聞いちゃうよ?」
「そうそうっ!!言ってお兄ちゃんっ♪」
「あ、いや…今は特にないかな?」
傍にいて欲しい亘もアヤもここにいる。
それだけで幸せだ。
「え~っ!?なんでっ!?僕なら色々考えちゃうよ?」
「私もっ!!」
「もし、アヤdayや、亘dayがあったら何を言う気だ?」
「はいはい~っ!私はねぇ~2人にちやほやしてもらうの~♪」
アヤは手お高く上げながら楽しそうに話す。
「…いつもしてんじゃないか?それ」
「違うもんっもっとちやほやしてもらうのっ!お姫様みたいに~」
アヤの貪欲さに我が妹ながら呆れてしまう。
…アヤDayなかったことに感謝しよう(苦笑)
「亘くんは?」
「ん~僕はね~アヤちゃんには髪の毛で遊ばないでもらうかな?」
「それ、だめ~っ!!」
「え~っ?だって、僕の日なら我儘OKでしょ?」
亘はムキになるアヤを楽しそうにからかう。
だんだんと趣旨から離れていってくれたことにホッとする。
が、離れただけですぐ戻ってきた。
「で?美鶴、決めた?」
「だから~ないって言ってるだろ~」
はぁっとため息をつきながら答える。
「なんか言ってよ。ねぇ、なんか」
「そうだよ~お兄ちゃん、なにかあるでしょ?」
我儘言えってせびられるのも…どうかと思う。
むしろ、2人から我儘を言えっていう我儘をきかされている気分だな。
俺は苦笑しながらそう思った。
でも、せびられるのも幸せだと感じる。
「じゃぁ…」
こほんっと一息つくと2人を見つめる。
そして、叶えられたらいいなと思う願いを言葉にする。
「ずっと俺の傍にいて欲しい」
「美、美鶴…」
亘は顔を真っ赤にさせ、ものすごく照れた顔を見せた。
一方、アヤは…
「お兄ちゃん…私はその我儘は簡単に叶えられるけどね…兄妹だし。でも、亘くんに対しては…それってプロポーズみたいだよ?」
と言い、呆れた顔をする。
「そ、そんな意味じゃなくてっ!!」
パタパタと否定するように手を振る。
まぁ、できるもんならしたいという気持ちはなくはないが…
どうフォローを入れようかと考えたところで電話が鳴る。
「はぁ~い。芦川ですっ!!」
一番傍にいたアヤが電話に出る。
友達からだったのか、アヤは楽しそうに短い会話を交わすと電話を切る。
「ごめんっ!お兄ちゃん、お兄ちゃんの日だけど…遊び行ってくるね!!」
ぱむっと手を一瞬だけ合わせると、風のごとく部屋を飛び出していった。
アヤが出て行ったあと、残された俺たちはゆっくりと視線を交わす。
ったくっ!アヤの奴っ!!あんなこと言われたら意識して気拙いじゃないか…
亘もそう思っているのか少し伏し目がち。
「あ~えっとな…」
「う、うん」
「深く考えなくていいから…。その…いつものように隣にいてくれればいいだけだから」
「えっ?!」
ぱっと顔を上げた亘の顔に少し落胆したような雰囲気が漂っていた。
「え?」
その顔にびっくりして聞き返すと、亘はかぁ~っと顔そ更に赤くさせる。
「あ、いや…うんっ!うんっそうだよねっ!わ、わかってるって」
その様子に亘も、もしかして…プロポーズみたいと思ってた?
そして、受け入れたいと思ってくれたのだろうか?
ごくっ
息をのみ、勇気を振り絞る。
もしそうなのであれば、受け入れて欲しい。
美鶴Day…我儘を言えと言ったのは亘だし…
「なぁ」
「ん?な、なに?」
「やっぱり、さっきの言った言葉キャンセル」
「へ?」
「亘は俺とずっと一緒にいること」
「キャンセルじゃないじゃん…それ」
意味がわからないという顔をする亘に俺は首を振る。
「さっきは友達として言ったんだ…今は…」
俺は亘を抱きしめると耳元で囁く。
「恋人として生涯のパートナーとして傍にいることの意味だ」
わかったか?と目で尋ねる。
すると、亘は顔を真っ赤にさせつつも大きくしっかりと頷いた。
そして、嬉しそうに微笑む。
「その我儘、ずっと叶えてあげるね」
「ああ」
俺も嬉しくて微笑み返しながら頷く。
3月26日…俺から亘へのプロポーズの日。
美鶴Day・・・悪くはないな。

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プロフィール
HN:
胡都音(元:流石姫)
HP:
性別:
非公開
趣味:
紅茶・創作活動・読書
自己紹介:
自分の中の不思議ちゃんを暴露してます。
見ての通り、痛い人です(笑)。
時たまポエマー、基本腐った女。
黒猫と紅茶(セイロン)を愛してます。
ちなみにプロフィール画像の猫は相棒『トト』。
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